オフィス契約を検討する際、多くの企業が悩むポイントが「賃料」です。
高すぎる賃料は会社の利益を圧迫しますし、安すぎる賃料では立地や設備面で妥協することになります。
適正なオフィス賃料を判断するには、坪単価だけでなく、立地や築年数、建物の構造、設備や初期費用まで幅広く確認する必要があります。
本記事では、オフィス賃料の適正価格を調べる具体的な方法から注意点まで、実例を交えて詳しく解説します。
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オフィス賃料の適正価格とは
オフィス賃料は一般的に、売上の10〜20%程度が目安とされています。この範囲内であれば、賃料が経営を圧迫せず、適正と考えられるケースが多いです。ただし、業種や企業規模によって最適な比率は異なるため、自社の売上構造を踏まえた判断が必要です。
| 売上高(年) | 適正賃料(月) | コメント |
|---|---|---|
| 5,000万円 | 42万〜83万円 | 小規模企業向け |
| 1億円 | 83万〜167万円 | 成長企業向け |
| 5億円 | 417万〜833万円 | 中規模オフィスも検討可能 |
まずは自社の売上や予算を明確にして、「この賃料は高いのか安いのか」を判断することが適正賃料把握の第一歩です。
希望条件を整理して坪単価を比較する
賃料の適正判断には、希望条件を整理して類似物件の坪単価と比較することが有効です。確認すべき条件は以下の通りです。
- 希望面積(坪数)
- 希望立地(駅徒歩・周辺環境)
- 築年数や建物構造
- 設備の充実度(空調・セキュリティなど)
坪単価比較の具体例
例えば「東京都内・築10年・RC構造・20坪」のオフィスを検討する場合、周辺物件の坪単価を調査すると以下のようになります。
| 物件 | 坪単価 | 築年数 | 構造 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Aビル | 18,000円 | 10年 | RC | 内装整備済み |
| Bビル | 16,500円 | 12年 | RC | スケルトン |
| Cビル | 19,000円 | 8年 | 鉄骨 | フリーレント2ヶ月 |
このように、希望条件に近い物件と比較することで、賃料の高低感やコストパフォーマンスを客観的に判断できます。
賃料に大きく影響する主要要素
オフィス賃料は物件条件によって大きく変動します。特に賃料に大きく影響するものは以下の3つです。
エリア(立地)
都心か郊外か、駅からの距離、周辺環境などにより坪単価は大きく変わります。駅近で便利なエリアほど高く、郊外や駅徒歩圏外は安くなる傾向があります。
築年数
築年数が古い物件は賃料が低く設定されることが多いですが、耐震性や設備の老朽化に注意が必要です。
建物構造
鉄筋コンクリート(RC)構造や鉄骨造など、建物の構造によっても賃料が変わります。RC構造は耐震性や遮音性が高いため、坪単価が高めに設定されることが多いです。
賃料以外で確認すべきポイント
上の項目に続き、以下のものが賃料に影響してきます。
付帯設備が多ければ多いほど、オフィスとしての充実度は上がります。
以下の項目も確認しましょう。
- セキュリティ面:カードキー、監視カメラ、警備員の有無
- 共用部の充実度:エレベーター台数、ラウンジ・会議室の充実度
- トイレ・給湯室の清潔さ:快適なオフィス環境は従業員満足度にも影響
また、共用部の清潔さや設備の充実度は坪単価には反映されにくいため、実際に内覧して確認することが重要です。
内装工事・初期費用の違いを理解する
賃料が同じでも、内装状況によって初期費用は大きく変わります。
- スケルトン物件:内装がほとんどない状態。入居時に大規模工事が必要で、初期費用が高額になることがあります。
- 整備済み物件:内装がある程度整っているため、初期費用を抑えられます。
さらに、フリーレント(家賃無料期間)の有無も総コストに影響します。例えば月額賃料100万円の物件で3ヶ月のフリーレントが付与されれば、300万円分のコスト削減になります。
初期費用シミュレーション例
| 物件タイプ | 賃料(月) | 内装費 | フリーレント | 初期費用合計 |
|---|---|---|---|---|
| スケルトン | 100万円 | 500万円 | なし | 500万円+前家賃 |
| 整備済み | 100万円 | 50万円 | 3ヶ月 | 50万円+前家賃 |
このように、総合的なコストを計算することで「坪単価だけでは判断できない」実態を把握できます。
オフィス契約時の注意点まとめ
契約の際には、賃料以外にも次のポイントを押さえておくと安心です。
- 隠れコストの有無:管理費・共益費・内装費など、見落としがちなコストを確認
- 長期契約・更新条件の確認:契約期間や更新時の賃料変動リスクを把握
- 坪単価・立地・築年数・構造・設備・初期費用を総合比較:単純な坪単価比較だけで判断しない
このように、賃料だけでなく設備・内装・契約条件を総合的に判断することが、適正賃料を見極めるカギです。
まとめ
オフィス賃料の適正価格を調べるには、坪単価の比較だけでなく、立地・築年数・構造・設備・内装・初期費用・フリーレントなどを総合的に判断する必要があります。希望条件を整理して類似物件を比較することで、過剰な支出を避けつつ、快適で利便性の高いオフィス環境を手に入れることができます。




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