はじめに:マンション購入は「情報戦」
新築分譲マンションを購入する際に大切なのは、
「立地」「予算」「費用」「ローン」 の4つをしっかり理解することです。
一度購入すると簡単には動かせない“人生最大の買い物”だからこそ、
冷静な判断と具体的な情報が欠かせません。
また新築分譲マンションは基本的に完成時には完売しているのがほとんどですので、物件情報が出たら早めに決断をする必要があります。(角部屋などの人気区画は早々に売れていきます。)
ここでは買いたい物件が出た際に、初めての方でも買うべきか買わないべきかの判断を合理的に行い、買った後も後悔しないためのマンション購入の流れを解説します。
立地面のチェックポイント
不動産の資産価値は立地でほとんど決まります。まずは以下要点を確認しましょう。
学区・通学環境は必ず確認
子育て世代の場合、小学校区の確認は最優先事項です。
公立の小学校に子供を通わせる場合、小学校区外の学校に通わせることはできません。
また生徒数が安定しており、評判の良い学校は移転や廃校の可能性も低くエリアの価値が落ちる可能性は限りなく低いです。
通勤アクセスを多角的に考える
職場への通勤経路は「電車の利便性」だけでなく、
バス・自転車・徒歩圏の利便性も含めて考えましょう。
駅徒歩5分以内の物件は魅力的ですが、その分価格も上がります。
一方で、駅から少し離れた場所でも、バス便や駐輪場を活用すれば通勤ストレスを抑えながら
数百万円単位で価格を抑えることができます。
同じ通勤時間と考えれば選択肢が広がりますよ。
沿線・エリアごとの価格傾向を把握
沿線や路線によって坪単価は大きく異なります。
同じ市内でも、中心地ほど高く、郊外ほど単価が下がる傾向にあります。
不動産サイトなどで近隣エリアの坪単価を比較して妥当性を確認しましょう。
予算立ての基本
月々の支払額から逆算して購入可能額を知る
マンションの購入価格を決めるときは、
「いくら借りられるか」よりも「いくら返せるか」を基準に考えるのが大切です。
たとえば、「毎月の返済に6万円までなら出せる」と仮定した場合、
実際に購入できるマンション総額をシミュレーションしてみましょう。
毎月の支払い項目
- 住宅ローン返済額
- 管理費:共用部の維持管理にかかる費用(月1〜2万円程度)
- 修繕積立金:将来の大規模修繕に備えた積立(月1〜2万円程度)
管理費・修繕積立金はマンションによって、決まっているので販売会社に聞きましょう。
修繕積立金が安すぎると将来的に修繕積立金は上がる可能性があるため、余裕を持った資金計画が必要です。
年収に対する支払い目安
一般的に、年間返済額は年収の25〜30%以内が安心ラインです。
ただし、教育費や車のローンなど家庭事情によって最適額は変わるため、
一律の基準にとらわれすぎず、自分たちのライフプランに合わせましょう。
↓以下に月々の支払いから逆算した、購入可能価格です↓
返済シミュレーション例
| 月返済額 | 想定借入額(35年・金利1.0%) | 想定総予算(諸費用込) |
|---|---|---|
| 6万円 | 約2,000万円 | 約2,100〜2,200万円 |
| 8万円 | 約2,700万円 | 約2,900〜3,000万円 |
| 10万円 | 約3,400万円 | 約3,600〜3,700万円 |
| 12万円 | 約4,100万円 | 約4,300〜4,400万円 |
購入時にかかる費用を理解しよう
実際の購入時には、物件価格だけでなく以下の諸費用(目安で5〜8%)が加わります。
- 不動産取得税:物件取得後に都道府県へ納付(概ね物件価格の3〜4%)
- 登録免許税:所有権移転登記などに必要(固定資産税評価額の0.15〜0.4%程度)
- 司法書士手数料:登記手続きの代行費用(5〜10万円程度)
- 仲介手数料:売主直販なら不要、仲介経由なら「売買価格の3%+6万円+税」
- 住宅ローン関連費用:保証料・手数料・印紙税(数万円〜十数万円)
- 火災保険・地震保険料:契約時に一括支払い(数十万円程度)
- このほか、引っ越し費用や家具家電の購入費も忘れずに計上しましょう。
仮に2,000万円のローンを組む場合、
これらの諸費用を含めると 総予算は約2,100〜2,200万円 が現実的な上限になります。
住宅ローンの考え方
住宅ローンは金利0.1%でも、支払い総額でいくと数百万の差がつきます。
細かくて面倒なところですが、こだわりましょう。
↓以下に実際の計算を記載しております↓
金利差による支払総額の比較例
借入額5,000万円/期間35年で比較すると…
| 金利 | 毎月返済額(概算) | 総支払額(概算) |
|---|---|---|
| 1.0% | 約141,000円 | 約5,916万円 |
| 0.9% | 約138,000円 | 約5,797万円 |
→金利0.1%の差で約120万円もの差が発生!
住宅ローンは「長期戦」だからこそ、0.1%の金利にもこだわるべきです。
借入額の目安
借入可能額の目安として、年収の7倍までが金融機関の審査に通りやすいラインとされています。
ただしこれはあくまで「上限」であり、無理のない返済計画が最重要です。
仮審査は無料。複数社に申し込みを
住宅ローンの仮審査は無料で行えるため、
複数の銀行・ネット銀行を比較検討しましょう。
同じ借入額でも、金利0.1%の差が支払総額に大きな影響を与えます。
↓住宅ローンに関する詳しい記事はこちらから↓
マンション価格の妥当性を見極める
坪単価をチェック
同じエリアの新築マンションを比較して、坪単価(1坪=約3.3㎡)を確認しましょう。
中心地は高く、郊外は安くなる傾向があります。
近隣で極端に安い物件があれば、
- 駅距離
- 日当たり
- 管理体制
- 施工会社
など、どこかに理由があると考えましょう。
「お得な新築マンション」は基本的に存在しない
新築分譲マンションは土地代・建築費の節約が難しいため原価が明確で、広告費・モデルルーム費用も含まれているため、
“掘り出し物”はほとんど存在しません。
価格だけで判断せず、立地と将来の資産価値を重視することが大切です。
まとめ:自分たちに合った「ちょうどいい選択」を
新築分譲マンションの購入で大切なのは、
「高い」「安い」ではなく、自分たちの生活に無理のない選択をすることです。
- 通勤・通学の利便性
- 教育環境
- 毎月の支払い負担
- 将来の資産価値
これらをバランスよく検討し、家族のライフプランに合ったマンション選びを行いましょう。



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